潜在意識と顕在意識(補足説明)

人間の意識は、大きく2つに分かれています。

一つ目は、私たちが通常起きている時に働いている「顕在意識」と呼ばれるものです。
顕在意識が司っているのは、言葉で物事を考えたり、判断したりする働きです。
「大人である自分」といった、思考の部分に当たります。

もう一つは、「潜在意識」と呼ばれるものです。
これは、顕在意識以外の、記憶・感情・感覚・直感・イメージといった五感全体を司っていて、言葉では表せない体全部の働きに当たります。
別の言い方で「無意識」とも言います。

そして、顕在意識 : 潜在意識 = 1 : 9 であるといわれているのです。

例えば、「今日からダイエットをしよう!」と考えても、「つい甘いものに手が伸びてしまう」ことがありませんか?
これは意志の力が弱いのではなく、「顕在意識はダイエット」と思っているのに、「潜在意識は食べたい」と思っているからです。
そして、「顕在意識:潜在意識=1:9」です。
顕在意識が潜在意識に勝つのは、相当な力が必要ということになりますよね?

こちらで説明している通り、顕在意識、潜在意識にはそれぞれ役割があります。
そしてこれらの役割が分かれだすのは、8~10歳といわれています。

一度、クリティカルファクターが出来上がり、顕在意識が育ってしまうと、顕在意識から潜在意識へのアクセスはしにくくなります。
顕在意識から潜在意識へのアクセスは、「言葉」を使うほかありません。
(なぜなら、顕在意識は「言葉で考える」ことしかできないからです。)

言葉をつかって潜在意識へアクセスするには、「暗示」という方法を使います。
※暗示には、言葉以外にもいろいろありますが、顕在意識は「言葉」しかつかえないため、「言葉による暗示」というのが正確かもしれません。

言葉による暗示を行うためには、いくつかのコツが必要です。
潜在意識というものは、難しい文章が苦手です。なぜなら「子どもの自分」だからです。
なので、潜在意識に言葉を使って語り掛けるときは、子どもに話すように語り掛ける必要があります。
そして潜在意識は、否定的な言い回しや反語、ウソなどのニュアンスや表現は一切通じません。
さらに、潜在意識にとって、未来も過去も現在もありません。あるのは今だけなのです。

このように、とにかく素直で今しかないのが潜在意識です。
複雑な思考や判断、論理的な考え方は、顕在意識の役割です。
潜在意識は、難しい言葉は「わからない」「通じない」のです。

こんな子どものような潜在意識に暗示を与えるには、
・シンプルで ・肯定語で ・感情をのせる ことが大切です。

潜在意識は、感情が大好物です。
なので暗示をかけるときに使われる感情が乗った言葉は、潜在意識に届きやすく、残りやすいのです。
そして潜在意識は、繰り返せば繰り返すほど、その「暗示」を受け取り、刷り込むのです。

少し例を挙げてみましょう。

・「人前で緊張しない!人前で緊張しない!」と心の中でつぶやいている人は、「緊張する」を無意識のうちに刷り込んでいることになります。
・イヤミで「君は美人だねぇ」といっても、潜在意識にイヤミは通じず、「美人」を受け取ることになります。
・あの人と会いたくない!と思っていると出会ってしまうのは、「会う」という言葉を刷り込んでいるからです。

いかがでしょうか?

このように潜在意識は、日常生活において、私たちの思考とは別の印象・イメージを受け取ってしまっていることがとても多いのです。
さらに、自分が毎日使っている言葉は、自分自身への「自己暗示」になります。
自分がマイナスの単語や否定語をよく使っているなと思ったら、注意してくださいね。
それは自分自身に「マイナスの暗示」をかけているのと同じになるのです。

そして前述のように、潜在意識は「ウソがわからない」のです。
自分がどんなに「今の否定語やネガティブ発言が本心じゃない!」といっても、潜在意識はバッチリと受け取って、そのネガティブワードの通りに実現しようと躍起になります。

潜在意識のもう一つの力、「ウソがわからない」というのは、潜在意識がそのように働くことも含めて「ウソがわからない」のです。
つまり、ウソでも口にして言葉で刷り込んだことは、その通りに実現しようと潜在意識全体が働いてしまうのです。
これが俗にいう「引き寄せ」です。
よく自己啓発などで「引き寄せ」の法則という言葉を耳にしますが、使っている言葉に気を付けるだけで、この「引き寄せ」が自然と働くのです。

ただし、全てを実現させようと働くわけではありません。
潜在意識が「できそう!」と思うことだけを実現しようとするのです。

例えば今アルバイトをしている人が、1年後に100億円手に入れる!というのはかなりムリがあります。さすがの潜在意識も働きません。
ですが1年後に100万円貯める!と毎日100回繰り返していたら、潜在意識が働いて100万円貯めることができるのです。

また、口にするだけでも実現しません。
行動に起こして、そこに感情を載せなければ、潜在意識には届かないのです。
つまり、寝ていても100万円を手に入れることは到底できないのです。
これは勉強しないと東大に受からないのと同じで、「100万円を手に入れるアクションをする」ことで、潜在意識の働きをより強固なものにしていくのです。
そのアクションが、バイトを増やすでもよいですし、投資に手を出すでもいい、あるいは宝くじを買うでも構いません。
なにがしかのアクションを起こすことで、潜在意識が「現実化しよう」と働くのです。

ここで効いてくるのが最後の1つ。
潜在意識は「現在も過去も未来もわからない」ということです。

今、目の前に100万円の札束を持っているところを想像してみてください。もちろんこの札束は、全て自分のお金です。
重さ、厚さ、紙の質感、匂い、色、肌触り、そして持っている時の自分の表情。。。
それらをリアルに、具体的に、ありありと想像するだけで、この100万円のイメージを現実にしようと潜在意識が頑張るのです。

このように、潜在意識とは現実の自分の世界を作り上げる重要な役割を担っているのです。

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