小さな傷と大きなトラウマ ~その3~

私が幼児期退行の練習台になった時に観た、幼少期のトラウマ解消体験談です。

前回はこちら↓
ちいさな傷と大きなトラウマ ~その2~

次のシーン。
これは、私が小学生になっても時々出てくる、とても気持ちの悪いシーンです。

気持ちが悪い、というのは私自身の体調の話。
真っ暗な部屋の洗面台で、げーげーと嘔吐しているシーン。

訳もわからず気持ち悪く、傍らで母が何かを叫んでいます。
怖くて、気持ち悪くて、泣きたい気持ちなのに、
今はそれどころではありません。

傍らにいる母は、「しょうがないなぁ」という感じで背中をさすってくれています。
おなかも大きいし、夜中に気持ち悪くなった私を開放してくれているだけなのですが、何かを言われていることすら自分には悲しくて、「私が悪い」「私がやり過ぎた」と心の奥でずーっと繰り返していたのです。

そして、一通り体調が落ち着いて、ぐったりして横になった後。
本当は、抱きしめてほしかったみたいです。
でも、母はもう疲れ果ててぐったりと寝てしまっています。
私は、「やり過ぎた。調子に乗るとこうなる」と、自分の中で繰り返し考えていました。

小さい子どもの私はこの時、
「自分が注目されたり、一番になると悪い結果になる」というビリーフを、自分自身の中に刻み込んでしまったようなのです。

そしてその後、ぐったりした私を抱きしめてくれる人もいない、調子に乗って失敗しても、だれも私を助けてくれない、といった強烈なトラウマを抱えてしまったようなのです。

2歳という、まだ右も左もわからない自分が作り上げた、大きなトラウマ。
大人から見ればかわいらしい失敗に移る些細な事件が、子どもにとっていかに大きな傷になるのか、ということを、改めて考えさせられました。

私は、ぐったいりしている子どもの自分を、ぎゅーっと抱きしめました。
本当は、あの時こうしてほしかったんだね。
苦しかったね、つらかったね。。。

そんな気持ちを全部わかって、小さな自分を抱きしめました。
腕の中で眠る子供の自分は、安らかで安心に満ちて、満足そうでした。

こうして、私はまた一つ、自分の中のトラウマを見つけ、癒すことができたのです。

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